年寄り安否確認通報システム導入 屋久島・原集落
2010年10月15日 南日本新聞
屋久島町の原集落は11日、独り暮らしのお年寄りなど10世帯を対象に「安否確認緊急自動電話通報システム」を導入した。お年寄り宅のトイレ前などに設置された人体検知機との連動が特徴。設定時間内に動きを感知しない場合、近隣住民や親族、民生委員など5人に自動で電話通報され、会話もできる。
集落の独自事業で、設置費の総額は173万円。町の村づくり活性化事業助成金3年分150万円と集落予算23万円を充てた。
同集落は1997年、毎月29日を「福祉の日」と定め、集落役員らがお年寄り宅を回る訪問活動を開始。見守り活動は他の集落に負けない自信を持っていたが、08年に独居老人の孤独死が発生。その後、新たな取り組みができないかと協議を重ね、安否確認緊急自動電話通報システムの導入を決めた。
同システムは火災センサーにも連動するほか、お年寄りが持ち運べるコードレスの「緊急押しボタン」を押した場合も通報される。
独り暮らしの母親(73)宅に同システムが設置された会社員の日高英智さん(48)は「電話が鳴らないのが一番いいことだが、少しは不安が解消される。とてもありがたい」と喜ぶ。同集落の川畑孝博区長(56)は「システム導入に満足することなく、高齢者が安心安全に暮らせる村づくりに区民全員で取り組んでいきたい」と話した。