新たな市場を創出 タッチパネルが後押し

2010年10月06日 日経新聞

 インターネットサービスやIT(情報技術)機器は高齢者にも身近になってきている。総務省の通信利用動向調査によると、2009年末の65歳以上のネット利用率は36.9%で08年末と比べて8.8ポイント上昇。65~69歳では58.0%と前年比20.4ポイント高まった。


 携帯電話機やパソコンでは「簡単操作」を売り物にした製品が相次ぎ登場。米アップルの「iPad(アイパッド)」のようなタッチパネル式の新しい携帯情報端末の普及も高齢者のIT利用を促しつつある。キーボード操作には抵抗があっても、タッチパネルは駅の自動券売機や銀行のATMなどで広まっており、高齢者にも受け入れやすいためだ。

 こうした中、中小の情報システム各社は高齢者を対象にしたシステムやサービスをいち早く提供して事業拡大を狙う。

 シニア社会学会会長の袖井孝子シニアお茶の水女子大名誉教授は「ITをうまく利用すれば、高齢者の孤立の防止にも役立つはず。人が介在するなどして高齢者のIT利用をサポートする仕組みをつくれば新たな市場を創出できる」と指摘する。