孤独死防げ トイレにセンサー
2010年10月06日 朝日新聞
お年寄りの孤独死を防ごうと、札幌市東区の給排水設備業者「トーヨーアクアテック」が、トイレに装着する特殊なセンサー「あんしん見守りくん」を開発した。全国の独居老人世帯数は463万世帯と年々増えており、同社は、親族が近くにいなくても、管理人らが安否確認できる態勢を整えたいとしている。
見守りくんは、トイレの給水管に装着されたセンサーと、固定電話に着けられた通信機からなる。トイレに一定時間、給水されないと、「異常」と判断。センサーが無線を発信し、通信機を経て同社のシステムに自動的に通報。知人や親族、管理人、管理会社などに連絡する仕組みだ。
同社の稲船郁尚社長(66)は昨年、軽い脳梗塞(こうそく)で倒れた経験から、ニュースなどで伝えられる孤独死の問題を切実に感じた。「人の尊厳にかかわる孤独死はなくさないといけない」。こんな思いで開発を思い立ったという。
独居老人宅にカメラを設置するなどの方法で安否を確認する方法があるが、プライバシーの問題などが課題とされていた。見守りくんはその点を解消でき、一度設置すればランニングコストもかからないという。料金は工事費込み18万円。問い合わせは同社(電話011・711・1222)へ。