高齢者を見守り、支援 浜松市が来年度からシステム開発

2010年09月10日 静岡新聞

 浜松市の鈴木康友市長は10日、100歳以上の高齢者の所在不明問題に関連し、一人暮らし高齢者や高齢者世帯の実態を把握し支援の拡充を図る「地域高齢者見守り・支援システム開発事業」を来年度から開始することを表明した。9月定例会の本会議で、花井和夫氏(自民党浜松)の代表質問に答えた。

 市はこれまで民生委員の情報から一人暮らしの高齢者の状況を確認し、全員把握までには至ってなかった。同事業では、住民基本台帳から抽出した情報を民生委員に提供することで、調査の精度を上げる。
調査対象を夫婦や兄弟などと同居する高齢者世帯にも広げ、「高齢者福祉システム」(仮称)として集約する。同システムを市職員が運用し、同委員や地域包括支援センター、保健師などと連携して高齢者の支援に役立てる。

 鈴木市長は、高齢者世帯で日常生活に不安を抱える人が増えていることを挙げ、「地域や行政の積極的な見守り・支援の必要性が高まっている」との認識を示した。100歳以上の高齢者については、祝意訪問の希望の有無にかかわらず職員が直接訪問し状況確認も行うとした。
 同市は7日、所在不明の高齢者が101人いると発表。高齢者の実態把握や対応策が課題として浮かび上がっていた。