安心した暮らし支える 高齢者見守り活動 宮古島
2010年08月16日 琉球新報
東京や大阪など、大都市圏を中心に全国で高齢者の安否不明が問題となっている中、宮古島市では独自の取り組みで高齢者を見守っている。同市老人クラブ連合会(上里寛昌会長)は、単位クラブから3~5人の活動員が一人暮らしや高齢者だけの世帯を訪ねる「友愛・見守り介護予防活動」を2009年度から実施。安心した暮らしを支えている。
活動は、市から年間180万円の補助を受け、09年度は市内の83クラブのうち、周囲に職員がいる国立療養所南静園の2クラブを除く81クラブが活動に参加。09年5月から10年3月まで累計で2082人の活動員が5393人の対象者を1万1471回訪問した。
活動員は家の明かりがつくかや本人を見掛けるかなど目視で対象者を毎日見守り、少なくとも月に2回は直接訪問して健康状態の調査や相談、要望の聞き取りをしている。09年度は「排水溝が詰まって困っている」「電球が切れたが足腰が弱っているので台に乗るのが怖い」など、68件の相談があった。ことしは6月から8月9日までに18件の相談が寄せられた。
要望や対象者の状態などは、各クラブから平良、下地、上野、城辺、伊良部の各支部に伝えられ、さらに同市老人クラブ連合会が集約。要望や相談があった場合、連合会が行政と連携し解決を図る。
宮古島市平良西原地区の7クラブからなる西原みどり会では09年度、35人の活動員が60人を超す対象者を見守った。花城愛子会長(70)は活動について「これまで意識してこなかったが、道で会ったとき、一声多く掛けるようになった」と話す。一人暮らしで訪問を受けている赤嶺ツヤ子さん(72)は「朝、カーテンを開けないだけで、隣近所の人が心配してくれる」と笑う。