かかりつけ医など記入 緊急時向けカード配布 高梁・中井町津々地区4集落 救命活動迅速に/岡山

2010年06月10日 山陽新聞

 過疎・高齢化が進む高梁市中井町津々地区の4集落(70世帯)で組織する「集落活性化支援対策座談会」は、住民同士の見守り体制を強化する新たな試みを始めている。住民が各自のかかりつけ医、家族の連絡先などを記す「緊急時お役立ちカード」を各戸に配布。急病やけがなどで緊急事態となった際、駆け付けた救急隊員、隣人らがカードを基に迅速な救急活動、連絡につなげる。

 カードには家族の名前や電話番号を緊急連絡先として記すほか、かかりつけ医、持病、介護支援事業者などを書き込む。「救急119」のシールを張った共通の容器に入れ、保管する。住民が屋内外で意識や判断力を失った場合、発見者らがカードを見て適切な救命措置、連絡が取れるようにする。

 高梁市が市内各地で進める、集落活性化支援事業の一環。畑、本村前、本村後、津々羅の4集落すべての家庭に配った。

 大分県臼杵市で同様の取り組みがあるのを知った住民の発案で1月から5回、会合を重ね、実現にこぎ着けた。

 津々地区は標高200〜400メートルの山あいに位置し、高齢化率は4割超。4集落では一人暮らしが10世帯を数える。住民は日ごろ、声掛けなどで近所に気を配るものの、地域に医療機関がない▽消防署から離れており救急車到着に時間がかかる―など、医療・救急体制に不安を抱えているという。

 同座談会で座長を務める中川隆政さん(58)は、過去に住民の緊急連絡先が分からず困った経験はないというが、「今後、独居世帯が減るとは考えにくい地域。『もしも』の時に住民の命を救えるよう、備えたい」と話す。