沖縄市、介護サポーター32人に修了証 県内初の取り組み/沖縄

2010年03月24日 琉球新報

 独り暮らし高齢者らの「地域の相談役」「見守り役」としての活動を目指す沖縄市生活・介護支援サポーター養成事業閉講式が19日、同市登川の特別養護老人ホームおきなわ長寿苑内(在宅介護支援センターのぼりかわ)で行われ、31歳から85歳までの32人に修了証が手渡された。
最高齢の与那嶺ヤスさん=同市池原=は「地域で活動するのは楽しい。家の中に閉じこもらないように、地域の人を引っ張り出していきたい。わたしも介護を受ける立場にならないよう頑張りたい」と笑顔で語った。

 事業は、高齢者らが安心して暮らせるように、地域での相談役を育成し、高齢者の生活を支えるシステムを構築することを目的にしている。市からの委託事業で、県内では初めての取り組みという。

 市北部9地域に住む32人が昨年11月から計88回の講座を受講し、介護保険や社協の役割、相談技術、基本的な介護技術などを学んだ。講座を欠席した場合は補講を受けて、全員が修了証を手にすることができた。サポーターとなった32人はそれぞれ「入り口に立ったばかりで、これからも勉強を続けたい」「学んだことを地域で生かしていきたい」などと語った。

 講座は終了したが、今後も月1回の会合を持ち、情報交換や研修などを通して、サポーターの能力向上に努めていく。

 おきなわ長寿苑では2007年から独自の介護予防教室を開いており、今回の事業もその実績などが評価されて、市から委託を受けた。上江洲幸子施設長は「高齢者の介護などの問題は、福祉施設だけの対応では限界がある。地域の力を育成しながら、地域と連携することが大切」と話した。