高齢者支援へ、地域連携ネット発足 黒羽見守り助け合い隊/栃木・大田原市
2010年03月17日 下野新聞
大田原市は、地域全体で高齢者らを支援する見守りネットワークとして「黒羽見守り助け合い隊」を16日、発足させた。住民や社会福祉協議会、学生、協賛企業などが連携し、声掛けや安否確認から買い物代行、ごみ出し代行など必要とする生活をサポートする。
黒羽地区の自治会を中心に55人で組織。国際医療福祉大の学生も協力しているのが特長。地域で安心して暮らせる仕組み作りに住民自らが乗り出す。
ネットワーク事業は昨年8月から準備を始め、11月に地区の全戸を対象にアンケートを実施。その結果、一人暮らしや高齢者世帯など支援対象者が316人、264世帯あることが分かった。
今年2月に同隊推進会議を開き、地区の13自治会の会長や副会長らが隊員として参加することになった。介護やボランティアを学ぶ国際医療福祉大生を取り込み、サービスプランの作成に協力してもらうほか、世代間交流などを進めてもらう。
次代に伝えていくことも大切だとし、地区内にある小中高校も協力団体として参加してもらうことにした。新聞販売店やヤクルト販売などが協力事業者となり、安否確認や情報収集など支援する。
発足式では中沢正信総隊長が「安心して暮らせる仕組みを築くことは私たちの使命」とあいさつ。隊員を代表して和気隆さんが誓いを述べた後、国福大3年の藤田恭子さんが「地域の皆さんと一緒に、一住民として地域再構築に頑張っていきたい」と決意を述べた。
同隊は17日から、学生も交えて要支援者の戸別訪問を実施。サービスプランを作成し4月にも支援活動を本格的スタートさせる。
事業は厚生労働省の安心生活創造事業のモデル事業として補助を受けて実施。全国で52カ所、県内では同市と鹿沼市が指定されている。