「ふれあい収集」で意識障害の高齢者を救助/八王子市
2010年03月13日 ケアマネジメントオンライン
八王子市で2006年から始まった「ふれあい収集」を担当している職員が、今年2月16日に、訪問した独り暮らしのお年寄りの異変に気づいて、家族に連絡するという出来事があった。お年寄りは大事に至らず、家族は「無事だったのは、ふれあい収集のおかげ」と喜んでいる。
同制度は、資源ごみを集積所まで運ぶのが困難な高齢者や障害者を対象に、職員が自宅前に置かれたごみを収集し、その際に安否確認するという仕組みで、全国各地の自治体に徐々に広がりつつある。
同市では、可燃・不燃ごみは一戸建ての場合、各家庭前で集めるが、びんや缶など資源ごみは地域の集積所に持って行かなければならず、高齢者にとっては一苦労。収集担当の職員から「ごみ収集の合間に見回れば、福祉にも貢献できるのでは」という声も上がり、ふれあい収集が始まった。
現在の利用世帯は147軒。対象者は、要介護4、5の認定を受けている人、身体障害者手帳1、2級を交付されている人らで、基本的に週1回、職員は該当家庭を回る。集合住宅の場合は入口ドアまで行き、希望者にはインターホンを押して声掛けし、ごみが2週続けて出ていないと、利用世帯に電話したり、家族に連絡したりしている。月1回程度、清掃指導員が利用世帯を訪問し、困りごとなども聞いている。
異変に気づいたのは、館(たて)清掃事業所の山村博敏さん(58)と三沢英夫さん(57)。いつものように担当している女性のマンションに行くと、ごみはあったが、インターホンを押しても返事がなかった。
不在時にはいつも事前に事務所に電話で連絡があるため、「念のため」と思った山村さんらが事務担当に報告。連絡を受けた女性の長女が駆けつけたところ、女性は意識障害を起こして室内で倒れていた。すぐに病院に搬送され、大事に至らなかった。
山村さんは「倒れていたと聞いて、びっくり。助かってよかった」と話している。