孤独死防止 民生委員と連携 行政の個人情報共有へ/相模原市

2010年02月19日 東京新聞

 神奈川県相模原市は2010年度から、65歳以上のお年寄り介護サービスの利用の有無など、行政が持っている個人情報を民生委員らと共有し、地域とかかわりの少ない孤立高齢者を探し出して見守るモデル事業を始める。
市によると、個人情報を積極的に活用した取り組みは全国的に珍しい。

 市によると、介護保険利用状況や在宅福祉サービスの利用情報などを民生委員や、市の高齢者相談窓口「地域包括支援センター」と共有。
利用度の濃淡などから孤立高齢者候補を選び出し、民生委員らが重点的な戸別訪問をして、孤立者か否かを判定する。

 孤立と判定された高齢者のうち見守り希望者には、地域自治会など一般市民から募った「見守り協力者」が日常的な声掛けを行う。希望しない人にも民生委員らが声を掛けて見守る。
市は「集合住宅の高齢者などは地域だけでは把握しにくい。プライバシーよりも支援を優先させた。官民で協力して孤立しがちな高齢者を積極的に見つけ、孤独死を防ぎたい」としている。

 市は2010年度予算案にモデル事業費1200万円を盛り込み、2011年度にも本格実施する方針。