塩谷町社協がサポーター制度 高齢者が仲間を見守り/栃木

2010年02月09日 下野新聞

元気な高齢者に仲間ををさりげなく見守ってもらおうと、塩谷町社会福祉協議会は同町老人クラブ見守りサポーター制度をスタートさせた。身近な情報を寄せてもらい、認知症への早期対応や孤立防止などにつなげることが狙い。一人暮らしの高齢者らの見守りネットワークづくりを支援する事業で、県は本年度初めて同町など2市2町をモデル地域に指定した。
県担当者は「老人クラブのメンバーがシステムとして町の広い地域をカバーし、高齢者見守りに取り組むのは塩谷町が県内で初めて」と話している。

 同サポーター制度は、同町老人クラブ連合会(小澤厚会長)の協力でスタートした。全34クラブのうち26クラブ約90人がボランティアでサポーターに登録。「ちょっと心配」と思われる高齢者に対し日常生活の延長で注意を払い、変わった様子があれば町社協に連絡する。

 「認知症と思われる人がうろうろしていた」「約束の場に来ないので連絡したら、『約束していない』と言い張ることが度重なる」など、「ちょっと気になる」「いつもと様子が違う」というケースを想定している。

 連絡を受けた町社協は、必要に応じて同町地域包括支援センターなどの関係機関へ連絡。早期対応へつなげる。

 同町ではこれまでも、町社協スタッフが一人暮らし高齢者の見守りに取り組むなどしてきた。しかし、深刻な状況にならないと情報が寄せられないケースも多く、早期対応に課題があった。

 「おせっかいではなく、相手を優しく気遣う普段着の見守りをお願いしたい」と同町社協の渡辺栄憲事務局長。

 先月25日にはサポーターの初会合が同町老人福祉センターで開かれ、サポーター証と目印の帽子が配布された。小澤会長は「塩谷町の高齢化率は27%。高齢者が地域の中で支え合っていかないと、とてもやっていけないのでよろしくお願いしたい」と呼び掛けた。

 同町社協は、サポーターへの研修などにも取り組んでいく考え。

 県のモデル地域ではこのほか、真岡市が災害時要援護者への支援体制を設けている並木区の自治会と連携し日常の見守りにつなげることを検討。小山市と茂木町がモデル地区を選定し見守りネットワークづくりを進める準備や検討をしている。