高齢者や子ども 地域で守れ 新聞販売店と市『見守り』/東京・府中市

2010年01月29日 東京新聞


子どもや高齢者を地域で見守ることで犯罪などに巻き込まれることを防ごうと、府中市内の新聞販売所6社・22店舗でつくる「府中新聞販売同業組合」と同市が28日、地域の見守りネットワーク活動に関する協定を結んだ。犯罪だけでなく、高齢者世帯の異変などに気付いた組合員らが市に通報、市が支援活動に乗り出す。

 市によると、市内の高齢化率は今年1月1日現在で18.3%。ここ5年間で2.4ポイント増加、高齢化が徐々に進んでいる。高齢者のみの世帯も増加。日ごろから地域をくまなく回る新聞販売店のきめ細かいネットワークを生かすことで、高齢者や子どもたちの安心や安全を確保しようと、市と組合とで協定を結ぶことになった。

 活動には組合員約300人が参加、新聞受けに新聞がたまる▽体の具合が悪そうにみえる▽高齢者や女性、子どもの悲鳴が聞こえる-などいつもと違う様子が見受けられた場合に市に情報提供する。また、徘徊(はいかい)が疑われるケースや不審者目撃時にも対応。市は情報を元に適切な対応をとる。

 協定締結後、府中新聞販売同業組合の山脇忠見組合長は「高齢者の一人暮らしが増えていると肌で感じている。すみずみまで安心して住める街づくりに協力したい」と話した。(萩原誠)