パソコンなしでもTV電話 伊江村でシステム構築/沖縄
2010年01月16日 琉球新報
伊江村で独り暮らしのお年寄りや島外に進学する生徒の家族が、パソコンがなくてもインターネット回線を介して手軽にテレビ電話で話せるシステムが村内で構築され、村民のモデル使用が進んでいる。同村は独り暮らしの高齢者の安否確認にも生かしたい考えだ。
事業主体の伊江島情報通信事業所(イーコム)は4月以降の有料化を目指し、伊江島発のビジネスモデルとして過疎にあえぐ自治体などへの売り込みも目指す。
インターネット回線と結び、カメラ機能も併せ持つ装置「ゆんたくボックス」を各家庭にあるテレビに接続し、ボタンを簡略化したリモコン操作でテレビ電話がつながる仕組み。高齢者には操作が難しいパソコンが不要でキーボードやマウスも要らない。パソコンを持つ相手とも通話できる。
総務省の「地域ICT利活用モデル事業」を伊江村が受託。2007年10月に設立され、伊江島の通信環境改善などを手掛けるイーコムを運営するアイ・アール・アイ(名護市、余語俊彦社長)が機器を開発した。
2008年4月から村民に初代機20台を無料で試験使用してもらい、操作しづらい点への意見を受けて、高齢者でも使いやすいように改良した。
イーコムと伊江村はゆんたくボックス30台(15組)の利用者を募集している。3月末までは無料。
伊江村企画総務課の新城米広主査は「ゆんたくボックスは地域の通信環境を向上と雇用にも結び付ける効果が見込める」と話した。