「安心生活創造事業」 豊中市、今春スタート/大阪

2010年01月04日 大阪日日新聞


大阪府豊中市と同市社会福祉協議会は、一人暮らしの高齢者を地域で守る「安心生活創造事業」を今春、スタートさせる。府内で初めての同事業の実施を前に、担い手となる「安心協力員」の養成研修会を開くなど、準備を進めている。


 同事業は、一人暮らしの高齢者などが地域で安心して暮らせるよう、安心協力員が有料で見守り活動や買い物の手伝いなどを行う。本年度からの厚生労働省の国庫補助事業で、全国53市区町村を「地域福祉推進市町村」に指定。府内では豊中市が初めての取り組みとなる。


 同市では、市から委託を受けた同協議会が事業を実施する。国の補助は2011年度までの3年間の予定。75歳以上の一人暮らしで、介護保険の要介護認定の申請をしていない高齢者に年間登録料2000円で登録してもらい、1回800円でサービスを提供する。


 サービスは、安心協力員が定期訪問し、市内の地域福祉活動や市の施策の紹介などの情報提供を行うほか、急病時の緊急の買い物の手伝い、入院時の手続きなどを行う。


 安心協力員は有償ボランティアで、活動実績に基づいて、利用者からサービス料を活動謝礼として直接受け取る。安心協力員については、民生・児童委員などを現在務めていない市民を120人募集したところ、定員を超える130人の応募があり、今後、対象地域の拡大などに応じて、追加募集を行う予定にしている。


 同市などは昨年12月に入り、安心協力員を対象にした養成研修会をスタートさせた。初回となった同8日にアクア文化ホール(同市曽根東町3丁目)で開いた研修会には、安心協力員130人や関係者を合わせ300人が参加。厚生労働省の担当課長の講演や、一人暮らし高齢者の実態をテーマにしたパネルディスカッションを通し、事業の目的や心構え、高齢者の現状などを学んだ。


 研修は2月までに計6日間にわたり行われる予定。2月下旬から千里・庄内の2地域のモデル地区で、一人暮らしの高齢者宅の訪問を始め、3~4月には市内全域で実施する予定になっている。


 市社会福祉協議会は「都市型の孤立を防ぎ、地域とつながりをもちにくい高齢者に顔見知りをつくっていきたい」と話す。