孤独死対策など住民の活動事例で発表会/横浜

2009年12月17日 神奈川新聞

 身近な地域の課題解決を目指す住民活動の事例発表会が17日、横浜市中区桜木町の市健康福祉総合センターで開かれた。孤独死対策に取り組んでいる都筑区の勝田団地などから報告があり、少子高齢化が進む中で住民がいかに支え合うかを考えた。

 ほかに発表を行ったのは、瀬谷区阿久和北部、鶴見区寺尾第2、旭区旭北の3地区。

 約1200世帯が暮らし、高齢化率が約40%に上る勝田団地は、自治会や民生委員らが独居老人らの安否確認を行う団体を結成し、見守り活動などに取り組んでいる、と報告した。

 自宅で倒れて動けなくなった男性が事前に合鍵の預け先を団体に知らせていたため、住民に助け出された実際のケースを寸劇で紹介。かちだ連合自治会の中山敏明副会長は「活動を始めてからは孤独死は出ていない」と成果を強調した。

 阿久和北部は、勝田団地と同様の見守りと、災害時に高齢者らの支援を行うため、アンケートや集いなどで隣近所の大切さを見直す活動を進めている。地区社会福祉協議会の清水靖枝会長は「『お互いさま』という考えで見守りの意識を高めていきたい」と述べた。

 各地区代表者らによる討論も行われた。コミュニティー研究が専門の名和田是彦法政大教授は「若い世代にも目を向け、活動で収益を上げられる仕組みも考えて」と呼び掛けた。