地域見守り協力員設置 田辺市/和歌山

2009年11月25日 紀伊民報

 高齢者の孤独死が社会問題となる中、和歌山県田辺市は2010年1月、高齢者や児童、障害者に対する見守りや声掛けをする「地域見守り協力員」を設置する。民生・児童委員の活動に協力する形で、76人の協力員を予定している。

 県の調べでは、06年度の県内の孤独死は167件。このうち田辺市は27件あった。

 市内での高齢化は進んでおり、今年3月末で65歳以上の独り暮らしは5550人、65歳以上の夫妻2人で暮らしているのは3790世帯に上っている。

 こうした状況から、地域の困窮者の状況把握や相談業務をしている民生・児童委員の果たす役割は年々大きくなっている。

 市は、県が8月に見守り協力員事業の要綱を策定したことを受け、市内の民生・児童委員(269人)に協力員設置の要望を聞いて設置人数を76人にした。

 地域見守り協力員は(1)高齢者、児童、障害者への見守りと声掛け(2)支援が必要と判断した場合、希望がある場合に民生・児童委員に連絡(3)希望者か同意者への訪問、声掛け(4)民生・児童委員との協力―などの活動をする。

 協力員の任用は、市長の推薦で知事がボランティアとして依頼する。任期は3年。活動経費として1人年間6500円を支給する。

 市は26日開会の12月議会に事業費12万8000円を提案する。事業費は県から全額補助される。