緊急時の情報入れた「見守り筒」白老の町内会で配布 /北海道

2009年11月18日 室蘭民報

 白老・大町第4町会(佐藤征会長)は、体調の変化など緊急時に役立つ「見守り筒」を一人暮らしの高齢者12人に配布した。通院先や保険証番号などを記した「安心表」を中に入れ、冷蔵庫に保管する。救急搬送時に役に立つ取り組みは、他の町会の関心を呼んでおり、町内に波及しそうだ。

 同町会は出歩くときに身に着けてと同種の情報を記したアイデンティティーカード配布も始め、6年前から高齢者向けに無料配布している、入院時に必要な20数点を入れた「安心箱」と併せ、“安心3点セット”になった。

 「見守り筒」は、同町会副会長で民生委員の民部吉治さんが、札幌に出向いて先行事例を視察、消防本部や町のアドバイスを受け、実施に踏み切った。筒の中に入る「安心表」には、血液型、アレルギーの有無、かかりつけの病院、カルテ番号、投薬名、緊急時の連絡先などのほか、裏面には本人の写真が掲示されている。

 「見守り筒」を収納する冷蔵庫には赤いハートシールが張られ、消防隊員に所在を知らせる。「安心表」の記入情報は毎年更新される。この取り組みに承諾した高齢者に「見守り筒」を配布、消防にも通知して救急隊員が冷蔵庫内の安心表を見て対処できるようになった。

 佐藤会長は「来年度は高齢者夫婦や持病を持っている高齢者にも広げていきたい」と話している。他町会でも取り組みの動きが出てきており、問い合わせも寄せられているという。
(富士雄志)