高齢者を見守ろう 新町セーフティーネット/和歌山

2009年10月09日 紀伊民報

 社会の高齢化が進む中、年を取っても安心して暮らせるようにと、和歌山県のみなべ町新町区に住民同士が見守るための会「新町セーフティーネット(SSN会)」が町内で初めて設立される。20日午後1時半から、中央通りのMi館で発足式を行う。

 同町では若者が学校や仕事のために町外に出て行き、過疎化や高齢化が進み、高齢者の一人暮らしや二人暮らしが多くなっている。新町区も同様で、急病人やけが人が発生した場合、近所の人たちが支援している。

 そんな状況の中で、遠慮や気遣いをすることなく、住民が住民を見守る会をつくろうと、発起人会が発足。新町の老人会「長寿会」の小川哲男会長(70)が会長を務めている。

 見守る方法は、見守られたい人1人に対し、すぐに駆け付けることのできる近所の人3人に見守る人になってもらうというもの。いずれも会員として入会してもらう。見守られたい人に何かあった場合、見守る人が緊急時の対応や、離れて暮らす身内への連絡をする。ほかにも、不安なことがあれば相談に乗るなど、いろいろなケースで助け合っていく。

 発起人会のメンバーが新町区民のため、最初は区内の人を対象に見守られたい人を募るが、隣接する北道、片町、南道の各区からの入会も歓迎している。20日の発足式も、区内外を問わず来場を呼び掛けている。

 小川会長は「防災、防犯、病気など、不安なことが多い中、みんなで見守り合うことが必要になってきた。お互いが安心して暮らせるよう見守り合いたい。将来的には、町内全体に広がってほしい」と話している。