地デジで地域情報交流 国交付金でシステム構築/南さつま市

2009年09月16日 南日本新聞

 南さつま市は15日、パソコンを利用しない高齢者ら“情報弱者”も、地上デジタルテレビを用いて情報交流や安否確認ができる独自のシステムを、2009年度に構築する方針を明らかにした。総務省の地域情報通信技術(ICT)利活用推進交付金事業を活用。国の交付金1億円を含む事業費1億64万1000円を、2009年度一般会計補正予算案に盛り込んだ。16日の市議会定例会に追加提案する。

 地デジにブロードバンドを接続して利用する。パスワードを取得すれば居住地が市内外問わず利用できる。

 市独自のポータルサイトに行政情報、自治会や各種団体、商店などが発信する地域情報を幅広く掲載する。地デジのリモコン操作によって見ることができる。

 さらに、利用者識別を行う装置の設置で、事前登録している人がテレビ利用者の安否を確認できる。サイトは携帯電話やパソコンでも閲覧可能。回線利用料のほか、利用者識別のための装置購入が必要になる。

 同市は本年度、全22カ所の校区公民館で利用できるようにするほか、市内外の居住者に利用を呼び掛ける。同時に、有料でポータルサイトに掲載する商店やバナー広告などを確保する。当面は同市が運営し、軌道に乗ったら産学官、利用者などで構成する南さつま地域活性化協議会が運営に当たる。

 同市は07年度に市内ほぼ全域をブロードバンド化。同市企画課の中山秀次課長は「地域の情報収集や安心安全な環境づくりに反映させたい。多くの人に身近なものとして使ってもらえるよう工夫したい」と話した。