上山市の高齢者見守り事業、好評/山形

2009年09月05日 山形新聞

 上山市は本年度、一人暮らしなどの高齢者宅を定期的に訪問して声掛けする「安心見守りサービス」を新たに始めた。体調不良の高齢者を早期に把握して対応するほか、世間話の相手をすることでお年寄りらの不安を緩和するのが狙い。6月から開始し、9月現在で市内35世帯がサービスを受けている。
利用者からは「訪問がすごく楽しみ。安心して過ごせる」などと好評だ。

 同市の人口に占める一人暮らしの高齢者(65歳以上)数は、ことし4月1日現在で10.2人で、県内では小国町、酒田市に次いで3番目に高い値。毎年、衰弱した状態で見つかる高齢者がいるなど、見守り体制の整備は喫緊の課題となっている。
市は2007、08年度に実態調査を行い、昨年10~12月に試行的に見守りサービスを実施。その結果を踏まえ、6月から本格的にサービスを開始した。市は本年度予算で事業費100万円を計上している。

 対象は一人暮らしや高齢者世帯のほか、家族が外出する日中などに1人だけになる世帯など。市の委託を受けたシルバー人材センターの巡回訪問員が2人1組で週1回、高齢者宅を訪問している。玄関先に10分程度滞在して体調を確認するほか、健康づくりや天候の話題を記した「安心見守りつうしん」を配布。
話し相手になることで孤独感を解消する狙いもある。訪問員は現在4組が活動しており、市は講習会を開くなどして訪問員を養成する計画だ。

 サービスを受ける一人暮らしの女性(86)は「毎回の訪問がすごく楽しみ。来てくれると思うと安心できる」と話していた。

 サービスの利用料金は無料。市健康福祉課の担当者は「寂しさや不安を和らげるためにも利用してほしい」と話している。
問い合わせは同課023(672)1111。