独居高齢者の安否見守り 美馬市、光ファイバー活用/徳島

2009年06月17日 徳島新聞

 美馬市は、市内全域に敷設した光ファイバー網を利用して独居高齢者の安否確認サービスを始めた。高齢者宅にセンサーを取り付け、一定時間動きをキャッチできない場合、自動的に近隣住民らに連絡が入る仕組みで、無償で利用できる。
同様のサービスは警備会社が提供しているが、自治体では全国的に珍しい。行政のICT(情報通信技術)活用のモデルケースとして注目を集めそうだ。

 安否確認サービスは、玄関や居間、寝室などに人の動きを感知するセンサーを設置。一定時間以上動きを感知しなかった場合、24時間態勢のコールセンターに通報される。コールセンターは高齢者宅に電話して安否を尋ねる。
応答がない場合、事前登録した地域の協力者に電話連絡し、協力者が確認に高齢者宅に行く。

 利用する高齢者にはペンダント型の通信機が渡され、体調が悪ければ高齢者自身が通報することも可能。また、センサーが感じた利用者の動きを「生活リズム情報」として記録。その記録は閲覧が許可された家族や介護関係者らがインターネット上の専用サイトから確認することもできる。

 4月から約20戸で利用が始まっている。市内には約2000戸の独居高齢者宅があり、市では今後サービスを活用するよう勧める。さらに光ファイバー網を活用した健康維持サービスの提供なども検討することにしている。

 徳島県内でICTの普及を進めているe-とくしま推進財団によると、ICTの活用例として県内では初めての取り組みで、全国でも珍しいという。