高齢者、児童を見守り 金沢・元菊町本町会「隊」を結成 声掛け、見回りへ/石川
2009年03月16日 北國新聞
金沢市の元菊町本町会は15日、住民有志で組織する見守り隊を結成した。
メンバーが隣近所への声掛けや見回りを励行し、子どもを狙う不審者対策に加え、振り込め詐欺や孤独死などの未然防止を図る。同日、同市長田町公民館で初めての研修会を開き、メンバーは非常時の連絡体制などを確認した。
町会はこれまで、高齢者宅の近隣住民に定期的な見回りを依頼していた。ところが昨年10月、住民の30代男性が死後1週間ほど経って見つかった。男性は70代の母親と2人暮らしだったが、母親が認知症だったため早期発見に至らなかった。
町会はこの出来事を受け、住民の連帯を強化するため見守り隊の結成を決めた。全世帯にメンバーを募り、自営業者や主婦ら35人が呼び掛けに応じた。メンバーは独り暮らしの高齢者や障害者宅をはじめ、高齢者夫婦のみの世帯の見回りや声掛けを行う。児童、生徒の登下校の声掛けも実施する。
独り暮らしの世帯では▽新聞や郵便物がたまっていないか▽洗濯物が干したままになっていないか▽室内の電灯がついたままになっていないか-などを確認し、万一の場合は町会を通じて家族や警察、市に連絡する。
研修会では長田町校下町会連合会の松村理治会長があいさつし、介護支援専門員(ケアマネジャー)や市職員が高齢者への接し方などを説明した。吉田正俊町会長は「見守り活動を通じて住民同士のコミュニケーションを深めたい」と話している。