新聞配達でお年寄りを見守り まち協と神奈川新聞社
2009年02月20日 神奈川新聞
朝の新聞配達で安否を確認―。一人で暮らすお年寄りの孤独死などを未然に防ごうと、社団法人「かながわ住まい・まちづくり協会(まち協)」(横浜市中区)と神奈川新聞社は、3月1日から県内初の「新聞配達見守りサービス制度」を始める。新聞販売店の従業員が郵便受けの状態をチェックし、お年寄りの緊急事態に対応する。
まち協は、県内で唯一の「高齢者円滑入居賃貸住宅」の登録機関。県内には現在、1844棟(1万9659戸)が同住宅として登録され、お年寄りを受け入れている。だが、孤独死への対応を懸念し、お年寄りの入居に二の足を踏む大家なども多いという。
新たに始めるサービスは、同住宅に入居して神奈川新聞を購読するお年寄りが対象。サービス希望者の郵便受けに新聞が1~3日分たまった場合、新聞販売店が不動産会社に連絡する。
19日に神奈川新聞社で協定締結式が行われ、まち協の寶積(ほうづみ)泰之会長が「核家族化は進み、隣近所と干渉しあわなくなってきている。サービスが一つのきっかけとなって、地域全体による見守りに広がっていけば」と期待。
神奈川新聞社の稲村隆二社長は「デジタル媒体による情報収集が苦手なお年寄りにとって、紙媒体の文字情報は貴重な情報源。生活を健やかに充実させるための情報も提供していきたい」と話した。