独居死、過去最多の518人に 08年神戸市
2009年01月15日 神戸新聞
自宅で誰にもみとられずに亡くなった一人暮らしの人が、北、西区を除く神戸市の7区で昨年1年間、518人と過去最多だったことが、兵庫県監察医務室の調査で分かった。20年前の2.9倍、10年前と比べても1.8倍に上り、阪神・淡路大震災後、仮設住宅などで顕在化した「独居死」問題が、高齢化の進行により深刻化していることを浮き彫りにした。
県監察医務室によると、これまで最も多かった2007年の480人から、38人増えた。518人の内訳は男性317人、女性201人。年齢別では70歳以上が311人と6割を占めた。死後8日以上たって発見されたのは109人。うち、45人が死後2週間から1カ月以内で、12人は1カ月以上経過していた。
死因は病死が372人と7割を占める一方、自殺42人を数えた。病死のうち、発症から丸1日以上たって死亡したとみられるケースは、肺炎や消化管出血などの43人で、「発見が早ければ救命できた可能性が高い」(県監察医務室)という。
05年の国勢調査によると、独居高齢者は同市内で7万110人と、1995年の3万5502人からほぼ倍増していた。市は本年度も、安否確認のための訪問や支援拠点の設置など見守り事業を全市で展開しているが、高齢化や独居世帯増加のスピードに追いついていないのが現状だ。(石崎勝伸)