連携し高齢者を見守り 福岡県が支援事業開始
2008年07月22日 共同通信
一人暮らしの高齢者らの孤独死を防ごうと、東京都民生児童委員連合会(大沢義行会長)が13日、孤立しがちな高齢者への対応と支援をテーマに研修会を開き、民生委員が果たすべき役割を先進地に学ぶ。孤独死をテーマとして取り上げるのは初めて。約1万人に上る首都の民生委員が孤独死対策に力を入れる契機になりそうだ。
研修会では、都市再生機構常盤平団地(千葉県松戸市)の中沢卓実・自治会長(72)が「孤独死をなくす取り組み」として実践報告をする。都内各地の民生委員の代表約50人が参加する。
同団地では2001年、一人暮らしの男性=当時(59)=が死後3年間も放置され、白骨化して見つかった。これをきっかけに、中沢会長らが「孤独死110番」をつくった。異変を感じたら連絡をもらう協定を新聞販売店と結び、いつでも対応してくれるよう鍵業者の協力を取り付けた。民生委員と自治会、地元の社会福祉協議会が一体となり「孤独死ゼロ作戦」が進められている。
民生委員による高齢者の安否確認をめぐっては、プライバシーの侵害を理由に拒絶されることが多く、現場の大きな悩みだ。
中沢会長は「人の生死を見極めなければならない緊急事態に、プライバシーを論じている場合ではない。だからこそ行政でなく住民主導の対策が大切だ。民生委員の役割は大きい」と話している。