高齢者の孤独死防げ 一人暮らし増加 市が対策事業に予算計上/横浜

2008年03月13日 タウンニュース

 この程市の調査で、昨年4月から12月の間で「孤独死」した65歳以上の高齢者が130人いたことが分かった。一人暮らし高齢者の増加が一因と見られているが、これに対して市では、来年度の予算案に孤独死防止の新規事業(1100万円予算)を盛り込み、対策に乗り出している。

 調査は市健康福祉局が、生活保護や高齢者支援担当職員からの聞き取り調査により今年1月にまとめたもの。結果によると、誰にも看取られずに「孤独死」した高齢者130人のうち7割が男性で、発見者は近隣住民が24%、ヘルパーなどの介護サービス従事者が17%、親族が10%、区役所職員と警察が各6%と続き、中区寿町などに多く所在する「簡易宿舎」の管理人も11%となった。

 死因は心不全が31%と最も多く、心筋梗塞15%、脳出血・脳梗塞7%など。発見までの期間は、当日から48時間以内が43%、3日目から1週間以内が39%、それ以降も2割に上り、中には死後2カ月経ってから発見されるケースもあった。古くからの住宅地が多い鶴見、神奈川、保土ヶ谷、南、中の5区で全体の7割を占めている。

 市が高齢者の孤独死について調べたのは今回が初めてだが、生活保護受給者や介護保険などのサービス利用者以外は記録に残らないため、把握できていない数も多いという。今後はより精度の高い調査方法を検討し、孤独死防止につなげていきたいとしている。

 平成17年の国勢調査によると、65歳以上の高齢者の一人暮らしは、市内で約9万7600人。平成12年より2万3600人増え、増加率も瀬谷区(47.8%)、栄区(47.4%)など9区で40%を超えている。

 市では来年度予算に「地域の見守りネットワーク構築支援事業」として1100万円を計上。高齢者サロンの開設や住民主体による一人暮らし高齢者宅の巡回、地域連携を深める「つなぎ役」となるコーディネーターの配置など、3月中に3カ所のモデル地区を決定し、4月以降実施する予定。
市健康福祉局の職員は「新聞がたまっている、最近電気がついていないなどのサインを逃さず、地域住民の目で、高齢者の孤独死を防止して欲しい」と話している。