高齢者の異常キャッチ 新聞販売店などと「通報」ネット構築 大宮台団地自治会/千葉

2007年12月20日 千葉日報

 住民の高齢化率が40%を超えて市内一の大宮台団地(若葉区)の自治会(立石悟会長)が19日、配達などで地域を回る新聞販売店、ガス・水道事業者らと「高齢者見守りネットワーク」構築の覚書を締結した。「配達品がたまっている」「メーターが動いていない」など住民の異常につながる“サイン”を配達員らがキャッチし、自治会へ通報するシステム。
孤独死などの不幸を防ぐためで、市内初の試み。実際に住民が孤独死したケースも過去にはあり、「住民が安心して暮らせるようになる」と自治会側は大きな期待を寄せる。

 同地区に住む4930人のうち65歳以上が1979人で、高齢化率41.14%は市内の500人以上の町で最高(今年3月末現在)。また独居世帯が175世帯、夫婦世帯も539世帯あり、安否確認は以前からの懸案。高齢者が死亡から2日たって見つかった“孤独死”のケースも過去にはあったという。

 ネットワーク構築は、「大規模団地における高齢化に対応した福祉サービスのあり方」をテーマとした市高齢福祉課と淑徳大学(中央区)の共同研究で浮上。研究の、いわばモデル地区となった同地区での意識調査で多くの住民が安否確認を不安に感じていることが分かり、その解決策として自治会が先進事例を参考に発案した。

 自治会の呼びかけに応じて覚書を結んだのは、同地区を配達する新聞販売店3店と牛乳宅配業者、検針・集金業務を行うガス会社、水道検針事業者の6事業者。

 配達や検針などで地区を回り▽前日の新聞や牛乳がボックスなどに残っている▽水道やガスのメーターが動いていない―といった住民の異常につながるサインをキャッチした場合、自治会へ通報してもらう仕組み。緊急連絡先やかかりつけ医をあらかじめ自治会に知らせておく登録制度もあり、いざというとき迅速に対応できる。

 覚書を交わした立石会長は「住民の登録者を増やしたり、他の事業者にも協力を呼びかけるなどしてネットワークの充実を図りたい」と話している。