室蘭市「高齢者見守り隊・たすけ隊」来月から

2007年11月28日 室蘭民報

 室蘭市は12月1日から、65歳以上の高齢者を地域全体で見守る「高齢者見守り隊・高齢者たすけ隊」をスタートさせる。一層、拍車がかかる高齢者人口の増大や高齢化率の高まりを背景に、地域に住むお年寄りを孤立させず、安心して暮らせる仕組みづくりを進める。

 同事業は、市の第3期高齢者保健福祉計画に基づく。地域に暮らす高齢者の異変を察知し、市内の4施設に設置されている地域包括支援センターに連絡する「見守り隊」と、連絡を受けた同センターが、サポートが必要と判断した高齢者に対し、声掛けなどを行う「たすけ隊」で構成する。

 取り組み自体は現在、各地域の民生委員や町会自治会、社会福祉協議会などで個々に実施しているが、今回は、日常業務で高齢者宅を訪問する機会が多い新聞や乳飲料、郵便、電気、水道、鉄道、バスなどの民間事業者を新たに見守り隊として取り込んだ。

 同センターは、総合窓口として位置付ける。同センターは市の委託を受け、所属する保健師や社会福祉士、主任ケアマネジャーら専門員が相談や問題に対応し、福祉制度の措置、介護サービスの必要性などを判断する。窓口を同センターに一本化することで、見守り隊・たすけ隊の円滑な活動につなげるのが狙い。

 市は12月から、民間事業者などに異変連絡用メモを配布するほか、町会自治会などへ、回覧を通じて取り組みを周知する。市保健福祉部介護福祉課は「まずは事業をスタートさせ、地域に見守り隊、たすけ隊のネットワークを根付かせる。高齢者の閉じこもりなどを防ぎたい」と話している。

 市によると、総人口における65歳以上の高齢化率は27.4%(今年3月末現在)で、地域によっては30%を上回っている。今後は年1ポイントずつ高齢化が進むと予想されている。