移動販売車が安否確認 サンプラザと県など協定/高知
2007年08月28日 高知新聞
県内の中山間地へ分け入って移動販売車を走らせているサンプラザ(本社・土佐市、笠原雅志社長)が、移動販売を通してお年寄りの安否確認などに協力しようと、県民生委員児童委員協議会連合会(小椋茂昭会長)、県の三者で地域の見守り協定を結ぶことになった。28日、県庁で締結式を行う。(浅田美由紀)
同社の移動販売車「ハッピーライナー」は計6台。魚や肉、総菜、日用雑貨など約150品目を積み込んで、4台は土佐市、2台は高岡郡佐川町を起点に毎日、長岡郡大豊町から高岡郡津野町まで県内15市町村へ移動販売に出向いている。
日曜日を除いて週2回は同じコースを巡回、約30カ所に停車する。1台につき1日平均70-80人が利用しているが、7割は70歳以上のお年寄り。
食材販売を通して生活を支えるだけでなく、運転手や集まってくる買い物客との会話を楽しみにする人も多い。見守り協定の締結により、お年寄りに何らかの異変があればサンプラザ側が民生委員らに連絡するという。
27日の昼近く。吾川郡いの町の山あいで、移動販売車を待っていたお年寄りたちは、到着すると早速、中へ。
「おおの、あついねえ」「兄さん、この前頼んじょったがは持ってきてくれちゅうかね」
運転手とぽんぽん会話しながら品定めするお年寄りたち。米など重い荷物があれば、運転手が自宅の玄関先まで運んでくれることもあり、信頼は厚い。これまでにも気分が悪くなったお年寄りを自宅まで送っていったケースもあるという。
どの場所へ何人が買い物にくるか、運転手は利用者を把握している。ハッピーライナーの統括責任者、片岡起雄さんは「一人暮らしやお年寄りご夫婦だけで暮らしている方も多く、いつも買い物に来てくれゆう人の顔が見えんと心配になる。地域の状況を把握できているので、少しでも情報提供などでお役に立てれば」と話している。