独居の自宅にTV電話 岡山・矢掛 来月から実証実験

2007年08月17日 中国新聞

 岡山県矢掛町は9月から、テレビ電話などの情報技術(IT)を活用して独居高齢者の安否を確認する「安心あったかコミュニケーションシステム」の実証実験に着手する。県などでつくる県高度情報化推進協議会のモデル事業として孤独死の防止に取り組む。

 実験は光ファイバーやケーブルテレビ網などを使い、6人程度の独居高齢者宅にテレビ電話を設置。町の地域包括支援センターで映像や通話を通じて日々の健康状態などを見守り、緊急時には近隣の住民に連絡して様子を把握してもらう。

 町は、県高度情報化推進協議会が本年度から始めた「コミュニティIT・タウン推進モデル事業」に応募し、7月末に新見市とともに採択された。県が負担する事業費は約1100万円。9月の町議会定例会で補正予算案の議決を得た後、システムの整備に取りかかる。

 町保健福祉課によると、システムの対象となる町内の独居高齢者は約150人。本年度の実証実験で課題やコストなども洗い出し、将来的な普及の参考とする方針だ。同課は「プライバシーなどにも十分配慮した上で、独居高齢者が安心して暮らせる環境づくりに生かしていきたい」としている。