NTTコムウェアが見守りシステムを開発~同居雰囲気伝え合う

2007年02月18日 ケアマネジメントオンライン

 NTTコムウェアでは、高齢者の生活状態を見守るシステム「Tangibleリモートケア」を開発した。

 今までもガスメーターや電気ポットの使用量変化による安否確認などはあったが、今回開発されたシステムは、複数居室に設置した人感センサーから、高齢者が“どの部屋にいるか”“入浴がかなり長い”など詳細な状況が把握ができる。

 また多くの高齢者は見守られるだけの一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションを望んでいるが、システムを高齢者と家族間など双方に設置することにより、高齢者の孤独感が癒せることが特徴。


■「Tangibleリモートケア」とは
●光の色の変化「オーブ」による位置と状況の2種表示
 例えば、リビング=青、ダイニング=黄色、お風呂=緑。
     青=平常、黄=注意、赤=危険。
●イラストや目盛りをポインター表示する「アンビエンスボード」
 例えば、リビング、お風呂、ダイニング、トイレなど位置を記した
 帯状の目盛りに、人形の付いたポインターを位置情報に応じて
 移動させる。


■システムの利用例
高齢者の住戸内(玄関、居間・台所、寝室など)の、どのセンサーがどのように反応したかで、状況判断する。
○朝、リビングルームでセンサーに反応があれば、起床したとみなし、受信側で起床を知らせる効果音(小鳥のさえずりなど)が流れたりする。
○外出・就寝後には開閉センサーが自動的に窓の開閉状態を監視する。
○就寝後に施錠箇所が開くと侵入とみなして警報音を鳴らし、遠隔地の家族宅などへ音やメールで警告を送信する。


■システムの特徴
○双方にシステムを設置することにより、見守る側(家族)と見守られる側(高齢者)で、相互に詳細な生活状況がわかるので同居しているかのような雰囲気が共有できる。
○光と音によるセンサー利用のため、監視カメラのように人に見られているという圧迫感がない。
○高齢者の体に装置を取り付けたりしないため、身体の自由を奪うことなく、精神的ストレスを生じない。
○プログラムの追加により「火の消し忘れ通知」や「部屋間移動回数の増減などによる体調バロメータ表示」などの機能も利用できる。


■今後のシステム展開
NTTコムウェアでは、独居高齢者宅とその家族宅、施設や介護サービス事業者、高齢化に悩む自治体などへ普及拡大を図る予定。